言語は使うものである―短期留学を通して学んだこと10(連載29回目)
日本語を没収されたことは前回書きましたが、
没収された言語はどうなってしまうのでしょうか?
1ヵ月半の短期留学で日本語を使うことを許されず、
日本人も私を含め留学生二人と
町に住んでいた年をとった日本人女性の全部で
たった3人だったのです。
普段日本で使っている日本語はもちろん、
日本人として感じる価値観や空気感、
人との距離間まで全て違うものを使っている1ヵ月半でした。
すごくショックなことを経験したので書いておきます。
留学期間が終わりを向かえ、飛行場がある大きな街のパースに
向かうことになりました。
パースまでは車で500km旅しました。
家族たちも旅行がてら同行してくれました。
パースでは一泊し、町を見て回りました。
パースは観光都市です。旅行者も多く訪れます。
ホールステイ先のジェラルトンという町は旅行者など訪れることも稀な田舎町でした。
車が信号で3台待ちしているだけで、渋滞と言われた時は笑ってしまいました。
それほどにある意味閉鎖的な町でした。
留学期間中にすっかり閉鎖的な感覚も覚えていったようです。
そうすることで早く町の人たちに溶け込む努力をしていたのでしょう。
しかしそのことを自分で気づいているわけではありませんでした。
パースに着いて2日目、観光で有名な地を訪れていた時、
日本人女子学生グループに出会いました。
向こうも留学制度か何かで訪れていたようで、
学校の先生も同行していました。
10人ぐらいのグループだったと思います。
向こうから私たちにキャーキャー言いながら駆け寄ってきて
いきなりたくさんの日本語を話してこられました。
「日本人の方ですよね?」
「どこの学校ですか?」
「いつから来てるんですか?」などなど。
いきなり久しぶりの日本人と日本語に出会った私たちは面食らいました。
すっかり日本語と日本人の感覚を忘れていたのです。
聞いていることはわかるのですが、言葉が出てきません。
日本語が出てこないのです。
大変ショックでした。
なんと質問の答えが頭の中で英語で出てきます。びっくりです!
やっと整理して出てきた言葉は「・・・・YES」でした。自分で笑ってしまいました。
言語は使わないと錆びます。
言語とは使うものです。忘れてはいけないことですよ。
また言語は文化です。
これも第二言語を学ぶのであれば知っておく必要がありますね。
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