もう1名の留学生―短期留学を通して学んだこと5(連載24回目)

学校からの短期留学生制度は、毎年2名枠です。
大穴の私が一人、
もう一人は学校側が内々に用意していた内定者でした。
彼女は成績優秀者でした。
また家庭はお茶教室をされていて、
日本文化にしっかりと通じた家庭でした。

彼女(Yさん)とはこの時はじめて出会いました。
高校2年まで一度も同じクラスになったことはありませんでした。
はじめの印象は落ち着いたまじめな芯のある感じに思えました。
けれど私とは全く違うタイプで、気は合いそうにないなと思っていました。

実際に渡豪する前に打ち合わせや挨拶回りで何度か顔を合わせました。
この交換留学生制度は、ある有名なクラブの主催であり、
学校も姉妹校ということでいろいろと挨拶や準備が必要だったのです。
過去の先輩たちの経験談やプラン内容も伺いました。



Yさんももちろんすべてに参加していました。
会うたびにお互い気が合わないな~というのが強くなっていきました。
日本にいる間は双方クラスもお友達も違うので、別に問題もありませんでしたが、
いざ空の上に飛んでからは引率者もいなく、二人きりになりました。
気の合わない人しかお互いに頼る相手もいなくて、
少しずつ相手に譲りながらオーストラリアでの1月半を過ごしました。

この経験で、人に合わせ協力しあうことを学びました。
高校生でもクラブやクラスでこういった経験はもちろん出来ますが、
たいして英語を話せるわけでもない二人が、他に頼る人もないという環境はいい勉強になりました。

しかも現地で辞書を取り上げられ、日本人どうしでの日本語も禁止となりました。
彼女とも英語で会話しなくてはならず、これもまた難解なコミュニケーションの勉強をさせていただきました。

価値観も育った環境も違う気の合わない二人でしたが、
二人でしか経験した留学生活はわかりあえないものです。共通の思い出は、絆も少しずつ生み出したものです。

冬になり、オーストラリアから留学生を受け入れた折には、協力して日本を紹介していきました。

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